2007年4月12日木曜日

春霞

山の端が霞がかって見えます。
今日も一日いいお天気のようで、ニュースでは桜の名所が満開の知らせ。
残念ながら今年の桜は見ることができませんでしたね。
順調に退院できれば、標高の高いところまで行ってあるいは、とも思いますが
体力的にそこまで運転していけるとは思えません。
今年は画像だけでがまんしましょう。

縫合部の痛みは相対的に昨日よりましになりましたが
絶対的なレベルではまだまだ尋常ならざる痛みとしかいえません。
今日の夜までは抗生剤の点滴があります。
発熱が続けば明日もということになりそうですが、多分大丈夫。
明日はこの痛みもマシになっていてほしいものです。

<前回からのつづき>
流動食から三部粥になった時点で、咳がとまらない状態が続いていた。
むせたような咳ではないので、念のためにレントゲン撮影になった。
部屋に戻ってほどなく、先生が飛び込んできた。
「撮影のときってパジャマ着てた?」
「ボタンみせて・・・」
「違う、こんなんじゃない」
ひどくあわてた様子で、いろいろ確認が進む。
「実は、肺に10円玉ぐらいの丸い影がいっぱい写ってる」
妻とともに、スタッフルームに案内されてレントゲンの結果を見せてもらう。
撮影の数日前に、一度胸が苦しくなってレントゲンを撮った経緯があって
そのときの写真も比較に見せてもらう。
数日前は何もないのに、今回は肺のラインに沿うようにいくつもの丸い影がある。
「すぐに肺のCTをとりましょう」
入院中、主治医の先生のほかにもう一人研修後期の先生がついてくださっていた。
妻、看護師さん、先生二人、顔面蒼白で点滴をさげて車椅子にのる私がエレベータに乗った。
同じフロアから、見舞いのご婦人も乗ったのだが、
私たちのものものしさに、なんとなく伏目になりつつも様子をうかがうようだったと後に妻に聞いた。
かなり深刻な印象はあったと思う。
CTでも、やはり影がくっきり。
呼吸器科の先生も加わって、治療方針の策定が行われた。
なんらかの感染で肺炎になりつつあるとの結論に達して、感染源は極力取り除くことになった。
真っ先に首のカテーテルが抜かれることになった。
点滴の量も格段に減って、栄養は経口摂取がメインに切り替えられた。
食事内容のアップコンバージョンが続けられることになった。
肺の感染症治療のために、ステロイド剤を中止して(ステロイド剤の長期服用は感染症の原因になり得るため)点滴による抗生剤投与に切り替えられた。
この抗生剤の点滴、量が半端ではなかった。
肝不全の状態から完全に脱している状況ではなく、この時期は肝機能障害と感染症との闘いになった。
連日の発熱、身の置き所がない倦怠感、食欲不振、咳。
治療を受けているという実感がわかないぐらい体が痛めつけられていた。

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